ホームこんな時にはご相談を > 精神的(心理的)問題

精神的(心理的)問題

 これらには、個人的な問題、あるいは家族単位での問題、または職場単位における問題などがありますが、上述の精神的(心理的)障害にまでは至らなくても、深刻な問題が生じている場合があり、専門家に相談することで解決への糸口を見出すことができます。以下に、代表的なものを説明します

職場不適応

 職場環境に人が適応できない場合です。新入社員が、入社数ヶ月のうちに職場不適応を起こす場合と、それまで順調に仕事をしてきた人が、配置転換や転勤などの異動を契機に、職場不適応を起こす場合があります。症状は、不安やうつ状態です。不眠や食欲低下、吐き気やめまいなどがみられます。無断欠勤や仕事上のミスを繰り返し、出社が困難になることもあります。上司や同僚との人間関係が原因となります。職場の問題(上司や同僚、組織の問題)と本人の問題(能力やパーソナリティなど)の双方に原因が考えられます。

テクノストレス

 最近の情報技術(インフォメーション・テクノロジーIT)についていけなかったり(テクノ恐怖症)、その逆に、のめり込んでしまいテクノ依存症になってしまう場合です。最近のテクノロジーについていけない中高年が、OA機器の操作に強い不安を感じ業務ができない場合、テクノ恐怖症となります。パソコン操作などに強い不安感を抱き、それらを見たり考えるだけで恐怖心を抱きうつ状態になることもあります。また、テクノ依存症では、生身の人間と接するよりも、パソコンや仮想現実の世界で満足し、そこに安住しようとします。パソコンがないと、不安になり落ちつかず、また、会議へ出席したり職場の人間関係を避けるようになります。

仕事中毒

 片時も仕事のことが忘れられず、仕事にのめり込んでいないと不安になる、仕事に依存した状態です。少しでも時間が空くと、手持ち無沙汰でどうしたらいいのか分からなくなりますが、仕事以外の生活や人間関係が希薄になりますので、逆にそういうことから逃避するための行動としてとらえることもできるでしょう。テクノ依存症の場合と同じように、仕事の世界に安住しようとするわけです。競争心が強く完璧主義、せっかちで怒りっぽく、責任感が強い性格傾向(タイプA)の人にこの仕事中毒が多いといわれています。身体的負担が大きく、心筋梗塞や狭心症などで倒れるケースが少なくありません。

異文化ストレス

 海外で暮らす日本人や在日外国人が、文化の違いから感じるストレスのことです。ストレスに対する反応には個人差があり、個人と環境の両方面から理解していく必要があります。自国で精神障害の既往歴のある人が、渡航先で、急性錯乱状態や不安発作、自殺未遂を起こしたり、言葉が通じ難いことから、精神的悩みを訴えることが困難な場合、体調不良を訴えたりすることが多いといわれています。

 また、帰国子女も、強い異文化ストレスを受けるわけですが、その内容は、外国への適応と日本への再適応という、大きなストレスを乗り越えることになります。そして、大人が受けるストレスとは、意味合いが大きく異なっています。成長期に、異なる文化を体験した子どもたちは、日本の流儀と滞在先の流儀の間で摩擦が生じ、渡航したときも、帰国するときにも強いストレスを体験することになります。このため、抑うつ、不安、離人感などを体験しやすく、また、どちらの言葉も完成していない場合もあり、そのような場合は、摂食障害、喘息、腹痛、脱毛などの身体症状が出現することがあります。

燃え尽き症候群

 医療や福祉などの従事者が、ストレスフルな仕事を長く続け、努力を重ねるが、その努力が実らず、自分の生き方が期待はずれに終ったと感じ、自己評価が下がり、無力感、絶望感、焦りなどを抱き、心身の疲労や枯渇状態に陥り、人生観にかかわる問題となっていきます。実体として、そこにはうつ状態があり、仕事にのめり込みストレスを発散できないことが、背景にあります。

 自虐的に患者の世話をしても、患者が良くなって、その努力が実れば、少しは自分を満足させることもできますが、癌や難病などの場合、それがかなわずに途方に暮れてしまう場合といえます。

 燃え尽き症候群は、現在では、あらゆる職種でみられるものと考えられています。

ご相談を受けるには 会員一覧